商品説明
本品は封入体 (inclusion body) など正しい立体構造を保持していないタンパク質を、正常な立体構造へと巻き戻すための試薬セットです。
独自の SR 試薬により、多くの水溶性モノマータンパク質に対して、煩雑な条件探索なしに効率的なリフォールディングを行うことができます。SR 試薬は低分子化合物で構成されているため、ゲルろ過クロマトグラフィーや透析等で除去することができます。
なお、 本品は水溶性モノマータンパク質用に最適化されており、膜タンパク質やオリゴマータンパク質への適用は未確認です。
特長
- 独自のSR試薬による高いリフォールディング能力
- 複雑な操作をできるだけ排除した簡便なプロトコール
- 優れたコストパフォーマンス
テクニカルノート
リゾチームを 6.2 M グアニジン塩酸塩、100 mM DTT、100 mM Tris-HCl (pH 8.2) で溶解し、37 ℃ で 6 時間リゾチームを変性させました。この変性リゾチーム溶液に、SR 試薬 A、SR 試薬 B、またはコントロール溶液 (100 mM Tris-HCl (pH 8.2)) およびGSSG を加え、37 ℃ で 18 時間リフォールディングさせました。その後、この溶液の上清を回収し、Micrococcus lysodeikticus に対するリゾチーム活性からリフォールディング収率を求めました。
結果、SR 試薬はいずれも高いリフォールディング収率が得られ、特に SR 試薬 A では約 80% でした。一方で、SR 試薬を用いなかったコントロールでは、リフォールディング収率は 10% 未満でした。
他の実施例として、 カルボニックアンヒドラーゼでは、SR試薬Aで70%以上、試薬Bで80%以上、アルファアミラーゼでは、どちらの試薬でも90%以上の高いリフォールディング収率を得ることができました。
SR 試薬 A、SR 試薬 B、またはコントロール溶液によるリフォールディング収率を、Micrococcus lysodeikticus に対するリゾチーム活性から求めた。